買ったばかりの家を売るといくら損する?税金・住宅ローン控除・残債の対処

買ったばかりの家を売るときの損失・税金・住宅ローンの注意点を解説する記事のイメージ

家を買ってまだ1〜2年なのに、転勤・離婚・近隣とのトラブル・建物の不具合などで「もう売るしかないかもしれない」と考えている方は少なくありません。一方で、買ったばかりで売ると大きく損をするのではないか、税金やローンはどうなるのかが分からず、動けずにいる方も多いはずです。

結論から言うと、購入時の諸費用は売っても戻らず、売却価格が購入価格を下回ることも珍しくありません。ただし、税金がかかるのは利益が出たときだけで、マイホームなら所有期間に関係なく3,000万円控除が使えます。損を小さくする鍵は、残債と手残りを先に計算し、事情に合った売り方を選ぶことです。

この記事を読むとわかること

  • 買ったばかりの家を売ると何が損になるのか(戻らない費用・新築でなくなる影響)
  • 短期譲渡所得の税率39.63%がかかる条件と、かからないケース
  • 住宅ローン控除が売った年からどうなるか
  • ローン残債が売却額を上回るときの対処法
  • 転勤・離婚・近隣トラブル・欠陥など事情別の考え方

この記事の結論

  1. 購入時の仲介手数料・登記費用・不動産取得税などは売っても戻らない。売却時にも仲介手数料(400万円超は価格×3%+6万円+消費税が上限)がかかる
  2. 売った年の1月1日時点で所有5年以下なら短期譲渡所得。利益が出たときだけ39.63%の税率がかかる(マイホームなら3,000万円控除で非課税になることが多い)
  3. 売却損が出ても、所有5年以下では給与と損益通算できない(居住用の損失の特例は所有5年超が要件)
  4. 住宅ローン控除は、住まなくなった年から受けられない。売却額でローンを返しきれないなら、不足額の手当てを決めてから売り出す
  5. 欠陥が原因なら、新築住宅の売主は引渡しから10年間、構造や雨漏りの瑕疵に責任を負う。売る前に請求を検討する

買ったばかりの家を売ると損しやすい理由

結論

購入時に払った諸費用は戻らず、売却時にも費用がかかるため、購入価格と同じ値段で売れても手元のお金は減るのが普通です。

「買った値段で売れれば損はない」と考えがちですが、実際には購入と売却の両方で費用が出ていきます。さらに、一度人が住んだ家は「新築」として売ることができません。まずは、損が生まれる仕組みを3つに分けて整理します。

購入時に払った諸費用は戻らない

家を買うときには、物件価格とは別に仲介手数料、登記の登録免許税と司法書士報酬、不動産取得税、契約書の印紙税、ローンの事務手数料などを払っています。これらは売却しても返ってこない費用です。

不動産取得税は、土地や家屋を購入・建築などで取得したときに、取得した人に課される税金です(東京都主税局「不動産取得税」)。納税通知書は取得からしばらくして届くため、すでに売却を決めた後に通知が届くこともありますが、取得した事実に対する税なので納める必要があります。

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購入時の費用 売ったら戻るか 売却時の税金計算での扱い
購入時の仲介手数料 戻らない 取得費に含められる
登録免許税(登記費用を含む) 戻らない 取得費に含められる(居住用の場合)
不動産取得税 戻らない 取得費に含められる(居住用の場合)
購入契約書の印紙税 戻らない 取得費に含められる(居住用の場合)
入居後の固定資産税・修繕費 戻らない 取得費にも譲渡費用にもならない

※国税庁タックスアンサー No.3252・No.3255 をもとに作成。業務用の資産では登録免許税などの扱いが異なります。

POINT

諸費用は「戻らない」が「税金計算では差し引ける」

  • 購入時の仲介手数料・登録免許税・不動産取得税・印紙税は取得費に含められる
  • 領収書や精算書は、売却後の確定申告まで必ず保管しておく

一度住むと「新築住宅」ではなくなる

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)では、「新築住宅」をまだ人が住んだことがなく、工事完了から1年を経過していない住宅と定めています。数か月でも住めば、法律上も市場でも「中古住宅」として扱われます。

新築の販売価格は「未入居の新築」であることを前提に付けられた価格です。中古として売り出すと、買主は周辺の中古相場と比べて価格を判断するため、「新築であること」に払った上乗せ分は価格に乗りにくくなります。これがいわゆる新築プレミアムが剥がれる現象です。

用語の補足:新築プレミアム

新築物件が「未入居・最新設備」であることを理由に、同じ条件の中古より高く値付けされている部分のこと。いくら下がるかは地域・物件・時期によって大きく異なります。

売るときにも費用がかかる

売却時には、仲介会社に払う仲介手数料、売買契約書の印紙税、住宅ローンを完済して抵当権を消す登記費用などがかかります。仲介手数料は宅地建物取引業法にもとづく告示で上限が決まっていて、売買価格が400万円を超える部分は3%(税込3.3%)です。全体では「価格×3%+6万円」に消費税を加えた額が上限の目安になります。

売買契約書の印紙税は、2027年3月31日までに作成される不動産の譲渡契約書について軽減措置があり、記載金額1,000万円超5,000万円以下なら1万円です(国税庁 No.7108)。

具体例

4,000万円で買った家を、1年後に3,600万円で売った場合

  • 前提:ローン残高3,900万円、仲介で売却
  • 仲介手数料の上限:3,600万円×3%+6万円=114万円、消費税込みで125万4,000円
  • 印紙税:1万円(軽減後)
  • → 手元に残る額:3,600万円−125.4万円−1万円=3,473万6,000円
  • → ローン残高との差:426万4,000円の不足(このほか抵当権抹消の登記費用もかかる)

購入時の諸費用は別にすでに払っているため、実際の負担はさらに大きくなります。売り出す前に、この不足額をどう用意するかを決めておく必要があります(後述の「オーバーローン」の章を参照)。

この項目のまとめ
  • 購入時の諸費用は戻らないが、居住用なら取得費として税金計算で差し引ける
  • 一度住むと新築住宅ではなくなり、中古相場で比べられる
  • 売却時の仲介手数料・印紙税・抹消費用まで含めて手残りを計算する

短期譲渡所得の税率39.63%|税金がかかるのは利益が出たときだけ

結論

売った年の1月1日時点で所有5年以下なら短期譲渡所得となり、利益に39.63%かかります。ただしマイホームなら3,000万円控除で税金がゼロになることが多いです。

「買ったばかりで売ると税金が高い」という話は半分正しく、半分は誤解です。税率が高くなるのは事実ですが、税金の対象は売却価格ではなく利益(譲渡所得)です。買った値段より安く売る場合は、そもそも課税される利益が出ないことがほとんどです。

売った年の1月1日で所有5年以下なら短期

土地や建物の譲渡所得は、譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下なら短期、5年を超えるなら長期に分かれます(国税庁 No.3202)。短期の税率は所得税30%・住民税9%に、所得税額の2.1%の復興特別所得税が加わり、合計39.63%です(国税庁 No.3211)。長期の20.315%と比べるとほぼ2倍です。

注意したいのは、判定日が「売った日」ではなく売った年の1月1日である点です。丸5年持ってから売っても、その年の1月1日時点で5年を超えていなければ短期になります。

  1. 2024年3月 取得引渡しを受けて入居
  2. 2029年1月1日所有4年9か月。2029年中に売ると短期(39.63%)
  3. 2030年1月1日所有5年9か月。2030年以降に売ると長期(20.315%)
図:2024年3月に取得した家の短期・長期の境目

判定の数え方や、取得日・譲渡日を契約日と引渡日のどちらで考えるかは、短期譲渡所得は何年まで?税率39.63%の落とし穴と買取での売却で詳しく解説しています。

利益は「取得費」と「譲渡費用」を引いて計算する

譲渡所得は「売却価格−(取得費+譲渡費用)−特別控除」で計算します。取得費には購入代金や購入時の手数料などが入りますが、建物は所有期間中の減価償却費相当額を差し引きます。

住まいとして使っていた建物は、耐用年数の1.5倍の年数に応じた償却率(木造0.031、鉄筋コンクリート造0.015)で計算します(国税庁 No.3261)。経過年数の6か月以上の端数は1年として数えます。

具体例

3,000万円で買った木造の家を、2年後に3,400万円で売った場合(3,000万円控除を使えないケース)

  • 前提:建物1,500万円・土地1,500万円、購入時の諸費用100万円(簡略化のため償却計算には含めない)
  • 減価償却費相当額:1,500万円×0.9×0.031×2年=83万7,000円
  • 取得費:3,000万円+100万円−83.7万円=3,016万3,000円
  • 譲渡費用:仲介手数料118万8,000円(税込)+印紙税1万円=119万8,000円
  • 譲渡所得:3,400万円−3,016.3万円−119.8万円=263万9,000円
  • → 短期の税額:所得税・復興特別所得税 約80万8,000円+住民税 約23万7,000円=約104万6,000円
  • → 同じ利益が長期なら:約53万6,000円

自分が住んでいた家で3,000万円控除の要件を満たせば、この例の税額は0円になります。逆に、住む前に売る場合や、親族に売る場合などは控除を使えないので、この計算がそのまま当てはまります。

マイホームなら3,000万円控除は所有期間を問わない

自分が住んでいる家(または住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る家)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円を控除できます(国税庁 No.3302)。買ったばかりでも、実際に住んでいれば対象です。

ただし、次のような場合は使えません。また、控除を受けるには一定の書類を添えて確定申告をする必要があります。

  • 特例を受けることだけを目的に入居したと認められる家や、仮住まいなど一時的な目的で入居した家
  • 親子・夫婦・生計を一にする親族など「特別の関係がある人」に売った場合
  • 売った年の前年・前々年に、この特例やマイホームの譲渡損失の特例を受けている場合
  • 別荘など、主に趣味・娯楽・保養のための家
注意

3,000万円控除を使うと、次に買う家の住宅ローン控除が使えなくなる場合があります。詳しくは「住宅ローン控除はどうなる?」の章で解説します。

売却損が出たとき|給与との相殺はできない

結論

所有5年以下で売って損が出ても、その損失を給与所得などと損益通算することはできません。税金はかからない代わりに、損は損のまま残ります。

土地や建物を売って出た損失は、原則として給与所得など他の所得と相殺(損益通算)できません。例外は「一定の居住用財産」の損失だけで、国税庁も、それ以外の土地建物等の譲渡損失は土地建物等の譲渡所得以外の所得と損益通算できないと説明しています(国税庁 No.2250)。

居住用の損失の特例は所有5年超が要件

マイホームを売って損が出たときの特例は2つあります。どちらも損失を給与などと損益通算し、控除しきれない分を翌年以後3年間繰り越せる制度ですが、売った年の1月1日で所有期間が5年を超えていることが要件です。

特例 主な要件
買い換えた場合の譲渡損失の特例(No.3370) 旧居の所有期間5年超、新居を取得し償還期間10年以上の住宅ローンがある
住宅ローンが残る家の譲渡損失の特例(No.3390) 所有期間5年超、償還期間10年以上のローン残高が売却価格を上回る。新居の取得は不要

※国税庁タックスアンサー No.3370・No.3390 をもとに作成。どちらも令和9年(2027年)12月31日までの譲渡が対象です。

買ったばかりの家はこの所有期間の要件を満たせないため、どちらの特例も使えません。売却損でも給与から差し引ける、という説明を見かけたら、所有期間の要件を確認してください。

5年を超えるまで待つかどうかの考え方

利益が出そうで、しかも3,000万円控除が使えない場合は、所有5年超まで待てば税率が39.63%から20.315%に下がります。損失が出そうな場合も、5年超まで待てば上の特例の対象になる可能性があります。

ただし、待つ間もローンの利息・固定資産税・管理費は出ていき、建物の価値も下がっていきます。転勤や離婚のように待てない事情があるなら、待つ前提で考えず、今売った場合の手残りと比べて決めるのが現実的です。

POINT

「待つか売るか」は手残りで比べる

  • 待って減る税金(または使えるようになる特例)の額
  • 待つ間に払う利息・税金・管理費と、価格の下落見込み

住宅ローン控除はどうなる?売った年から受けられない

結論

住宅ローン控除は年末まで住み続けていることが要件なので、売って住まなくなった年から控除は受けられません。次の家でも使えるかは3,000万円控除との関係で決まります。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、取得から6か月以内に住み始め、その年の12月31日まで引き続き住んでいることが要件です(国税庁 No.1234)。控除期間が残っていても、売却して住まなくなれば、その後の控除は続きません。

年末に住んでいない年は控除の対象外

国税庁は、家族とともにその家に住まなくなった場合、住まなくなった日の属する年以降は控除を受けられないとしています。年の途中で売却・引越しをすると、その年の分から控除がなくなると考えておきましょう。

例外は転勤などで家族だけが住み続けるケースです。転勤などやむを得ない事情で本人だけが離れ、配偶者など生計を一にする親族が住み続けていて、事情が解消したら本人も戻ると認められる場合は、控除を続けられます。売らずに単身赴任で乗り切る選択肢があるなら、この扱いも比べる材料になります。

次の家の住宅ローン控除と3,000万円控除は併用できない

買ったばかりの家を売って、次の家を住宅ローンで買う場合に注意が必要です。新しい家に入居した年・その前年・前々年に、古い家の売却で3,000万円控除を受けていると、新しい家の住宅ローン控除は受けられません。入居した年の翌年から3年目までに3,000万円控除を受けた場合も同じです(国税庁 No.3302)。

  1. 売却益がいくらになるか試算する利益が出なければ3,000万円控除を使う必要はなく、住宅ローン控除への影響もない。
  2. 利益が出るなら、両方の控除額を比べる3,000万円控除で減る税金と、新居の住宅ローン控除で戻る税金のどちらが大きいかを比べる。
  3. 税務署・税理士に確認してから申告する選び方で数十万円以上の差が出ることがあるため、確定申告前に専門家に試算してもらう。
この項目のまとめ
  • 住まなくなった年以降、売った家の住宅ローン控除は受けられない
  • 転勤で家族が住み続けるなら控除を続けられる場合がある
  • 売却益に3,000万円控除を使うと、新居の住宅ローン控除が使えない期間がある
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ローン残債が売却額を上回る(オーバーローン)ときの対処

結論

家を売るには住宅ローンの抵当権を外す必要があり、そのためには売却代金と自己資金などで残債を完済するのが前提です。足りない額の手当てを先に決めてから売り出します。

買ったばかりの家は、頭金が少なければローン残高がほとんど減っていません。そこに購入時の諸費用と新築プレミアムの剥落が重なると、売却価格がローン残高を下回る「オーバーローン」になりやすくなります。

抵当権を外すには売却時の完済が前提

住宅ローンを借りると、家には金融機関の抵当権が設定されています。買主は抵当権が付いたままの家を買わないため、通常は決済日に売却代金でローンを完済し、同時に抵当権を抹消して引き渡します。完済できる見込みがないと、金融機関は抹消に応じません。

  1. 査定を取る売れる価格の目安を知る
  2. 残債を確認金融機関に完済に必要な額を聞く
  3. 不足額を確定手残りが残債に届かない分
  4. 手当てを決める自己資金・借入れ・任意売却
  5. 決済・抹消完済と同時に抵当権を外す
図:オーバーローンの家を売るまでの流れ

不足額を埋める方法

不足額の埋め方は、主に次の3つです。どれを選べるかは、貯蓄や収入、次の住まいの予定によって変わります。

  • 預貯金などの自己資金で不足分を払う(最もシンプルで、売却の自由度も高い)
  • 住み替える場合は、金融機関によっては残債を新居のローンに上乗せできる商品があるので相談する
  • 返済そのものが難しい場合は、金融機関の同意を得て売る「任意売却」を検討する

いずれの方法でも、売り出し価格を決める前に金融機関に相談するのが基本です。買主が見つかってから「抹消に応じられない」と言われると、契約自体が成り立たなくなります。

返済が苦しいなら任意売却を早めに相談する

住宅金融支援機構は、返済の継続が難しい場合に、任意売却で残債務を圧縮することも検討してほしいとしています。任意売却は通常の不動産取引として売るため、一般的に競売より高値で売れることが期待できるとされ、状況によっては仲介手数料や抹消登記費用を売却代金から差し引ける場合もあります(住宅金融支援機構「融資住宅等の任意売却」)。

注意

任意売却は、金融機関が承認した価格で売り出すのが原則です。承認していない価格で買主を見つけても、抵当権の抹消に応じてもらえない場合があります。また、売却後に残った債務は消えずに残ります。

投資用物件の例ですが、残債が売却額を上回るときの考え方は投資用マンションのオーバーローン売却|残債・任意売却・買取までを解説でも整理しています。

事情別の考え方|転勤・離婚・近隣トラブル・欠陥

結論

売る理由によって、先にやるべきことが変わります。欠陥なら売る前に売主への請求、離婚なら財産分与とローン名義の整理が先です。

買ったばかりの家を手放す理由はさまざまです。同じ「すぐ売る」でも、使える制度や注意点は事情ごとに異なります。まず全体像を表で確認してください。

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事情 先に確認すること 関係する制度・期限
転勤 売るか、家族が住み続けるか、貸すか 3,000万円控除は住まなくなってから3年目の年末まで
離婚 財産分与の方法とローンの名義・連帯債務 財産分与の家庭裁判所への請求は離婚から5年
近隣トラブル 買主に伝えるべき事実の整理 知りながら告げなかった事実は免責特約があっても責任が残る
欠陥 新築時の売主・施工会社への請求 新築住宅の売主は構造・雨漏りの瑕疵に引渡しから10年責任

転勤:売るか貸すか、3年の期限を意識する

転勤の場合、家族が住み続ければ住宅ローン控除を続けられることがあります。家族も一緒に引っ越す場合は、売るか貸すかの選択になります。貸す場合でも、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば3,000万円控除の対象です。

ただし、住宅ローンは本人が住むための融資で、フラット35のように第三者に賃貸する目的での利用を認めていないものもあります(住宅金融支援機構「フラット35の利用条件」)。賃貸に出す前に、必ず借入先の金融機関に相談してください。

離婚:財産分与とローン名義を先に整理する

離婚に伴う財産分与は、家庭裁判所に請求できる期間が離婚の時から5年です(民法768条。2026年4月1日施行の改正で2年から延長。施行日前の離婚は従来の2年)。家を売って現金で分けるか、どちらかが住み続けるかで手続きが変わります。

土地や建物そのもので財産分与をした場合、分与した人に譲渡所得の課税が行われ、分与した時の時価が収入金額になります(国税庁 No.3114)。また、夫婦間で売買した場合は3,000万円控除の対象外です。ペアローンや連帯債務のまま一方が住み続けると、出ていった側も返済義務を負い続ける点にも注意が必要です。

近隣トラブル:知っている事実は買主に伝える

騒音や嫌がらせなど近隣との問題は、建物を見ただけでは分かりません。だからこそ、売主が知っている事実は書面で買主に伝えておくことが、後のトラブルを防ぐ一番の方法です。

民法572条は、売主が責任を負わない旨の特約をしても、知りながら告げなかった事実については責任を免れないと定めています。近隣問題がこの責任の対象になるかは事案によって判断が分かれますが、隠して売るのは避け、伝え方は仲介会社と相談しましょう。

欠陥:売る前に売主への請求を検討する

雨漏りや構造の不具合が理由で売りたい場合は、売る前に新築時の売主への請求を検討します。品確法95条により、新築住宅の売主は引渡しから10年間、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵について責任を負い、これより買主に不利な特約は無効です。

補修を受けないまま売る場合は、不具合の内容を買主に伝える必要があります。

中古住宅の買主は、品質が契約の内容に合わないものを引き渡された場合、不適合を知った時から1年以内に通知すれば、修補や代金減額などを求められます(民法562条・566条)。雨漏りの家の売り方は雨漏りする家は売れる?直さず売る判断と契約不適合責任・買取での売却も参考にしてください。

結論

事情がどうであれ、不具合や近隣問題を隠して売ることだけは避ける。伝えたうえで価格に織り込むか、現況のまま買い取ってもらうほうが、売却後のトラブルを防げます。

損を小さくする売り方|仲介と買取の使い分け

結論

築浅で状態がよいなら仲介で高値を狙い、時期や条件を確実に決めたいなら買取を検討します。複数社の査定で両方の手残りを比べるのが近道です。

買ったばかりの家には「築浅で設備が新しい」という強みがあります。一方で、転勤や離婚では引越しの時期が決まっていて、売れるまで待てないことも少なくありません。どちらを優先するかで売り方を選びます。

築浅の強みを生かすなら仲介

仲介は、不動産会社が買主を探す売り方です。築浅で室内の状態がよければ、新築より割安な物件を探している買主にとって魅力があり、高く売れる可能性が最も高い方法です。その代わり、買主が見つかるまでの期間は読めず、内覧対応も必要になります。

早く確実に手放すなら買取

買取は、不動産会社が自ら買主になる売り方です。宅地建物取引業法の報酬規制は売買の媒介(仲介)に関するものなので、不動産会社に直接買い取ってもらう場合、仲介手数料はかかりません。

買取のメリット

  • 買主を探す期間がなく、引渡し時期を決めやすい
  • 仲介手数料がかからない
  • 不具合や近隣問題がある家も、現況のまま相談できる

買取のデメリット

  • 価格は仲介で売れる場合より低くなりやすい
  • オーバーローンの場合、不足額がさらに大きくなることがある

売り出す前に確認しておくこと

どちらの売り方でも、次の項目を先に確認しておくと、査定後の判断がぶれません。

  • 金融機関に確認したローンの完済必要額(繰上返済の手数料を含む)
  • 購入時の売買契約書・諸費用の領収書(取得費の計算に使う)
  • 売った年の1月1日時点の所有期間(短期か長期か)
  • 3,000万円控除を使うか、新居の住宅ローン控除を優先するか
  • 買主に伝えるべき不具合・近隣問題の一覧

売却理由の伝え方と売り出しの時期

築浅の家は、買主から「なぜこんなに早く売るのか」と聞かれやすくなります。転勤や家族の事情などは、事実どおり簡潔に伝えれば十分です。一方、不具合や近隣問題が理由なら、知っている事実は買主に伝える必要があり、隠すと売った後のトラブルにつながります。

また、引渡しの期限が迫っていると、値下げ交渉に応じざるを得なくなりがちです。売却の期限が決まっているなら、そこから逆算して早めに査定を受けることで、価格を下げるかどうかを落ち着いて判断できます。

よくある質問

買ったばかりの家を売ると、必ず税金がかかりますか?

いいえ。税金の対象は利益(譲渡所得)なので、買った値段より安く売って利益が出なければ課税されません。利益が出ても、自分が住んでいた家なら所有期間に関係なく3,000万円控除が使えます。

売却損が出たら給与と相殺して税金が戻りますか?

所有期間が5年以下では戻りません。マイホームの譲渡損失を給与などと損益通算できる特例は、売った年の1月1日で所有期間が5年を超えていることが要件です。

売った後も住宅ローン控除は受けられますか?

受けられません。住宅ローン控除は年末まで住み続けていることが要件で、家族とともに住まなくなった年以降は対象外です。

なお、転勤で家族だけが住み続ける場合は、一定の要件のもとで控除を続けられます。

ローン残高より安くしか売れない場合でも売却できますか?

売却できますが、抵当権を外すために決済時にローンを完済する必要があり、不足分は自己資金などで用意します。返済が難しい場合は、金融機関の同意を得て売る任意売却を早めに相談してください。

この記事のまとめ

  • 購入時の諸費用は戻らず、一度住むと新築ではなくなる。売却時の費用まで含めて手残りを計算する
  • 売った年の1月1日で所有5年以下なら短期譲渡所得(39.63%)。ただし課税は利益が出たときだけで、マイホームなら3,000万円控除が使える
  • 所有5年以下の売却損は給与と損益通算できない
  • 住宅ローン控除は住まなくなった年から終わる。3,000万円控除を使うと新居の住宅ローン控除が使えない期間がある
  • オーバーローンなら不足額の手当てを先に決め、欠陥なら売る前に売主への請求を検討する

買ったばかりの家を売るかどうかは、今の価格でローンを返しきれるかどうかで判断が大きく変わります。まずは現在の価格を知ることから始めてください。

この記事を書いた人

売却ナビット編集部(運営:合同会社GREA)
不動産の一括査定サービス「売却ナビット」を運営。相続・老朽化・投資物件など、売りにくい不動産の売却相談を扱っています。
〒113-0033 東京都文京区本郷1-4-4 水道橋ビル6階/TEL 03-5615-9793(10:00〜18:00 年中無休・年末年始を除く)
記事内の税制・法令に関する記述は、国税庁・法務省・国土交通省などの公表情報をもとに作成しています。個別の判断は必ず税理士等の専門家にご確認ください。

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